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  • 2018.01.06 Saturday
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野菜の声

 私が暮らす町小国の中に「山のいぶき」という会があります。
先日、その会の勉強会に参加させていただきました。
この会は、小国の農家の中で有志が集まり、無農薬、有機栽培、乳酸菌ミネラルなどの完熟堆肥を使った野菜を作っているプロの農家集団です。
小国という土地は標高700メートルの高冷地で夏でも涼しく朝、晩の温度差があり、野菜作りにはこの上ない土地です。
その中でもこの農家さんたちのこだわりの野菜は、安全というだけでなく、さらに美味しいというところまで突き詰めて作っている野菜です。
勉強会が終わり、待ちに待った試食のとき。
大根や人参、胡瓜、レタスほうれん草、西瓜などなど
ウサギになったつもりで生でどんどんかじります。
不思議と生でどんなに食べても、食べるほどに食欲が増します。
さて、その味は?
どの野菜も一言で言うと濃厚。
甘みが強く、それぞれがものすごく主張している味です。
多分、本来この野菜はこんな味がしてたんだなとかんじた。
ただ、これだけ一つ一つの野菜が主張してると、安易に調理できないと思いました。
それぞれの野菜の特徴を理解してその長所をどう伝えるか。
人間と一緒です。
多くの個性が集まって街を形成しています。
それぞれが、自分の個性を生かせる場所で杖立温泉のために努力する。
私の場所は、美味しい料理を作り、きてくれた方を幸せにすること。

話がそれましたが、この野菜どう調理するか?
料理は素材が命です。
どう、調理するかは、素材に聞いてみろ! 
野菜がしゃべるかと思うかもしれませんが、ここ数年ちょっとづつその声が聞こえるようになりました。
聞き間違えも多々ありますが。
胡瓜をかじっていると俺の甘みメロンみたいだろう。
確かに、甘い。  けどメロンは大げさじゃないの。
色だしした胡瓜をミキサーニかけて、少しの塩と白ワインで味を調え凍らせて
ソルベにしました。
アクセントに赤紫蘇のエキスを少量かけて。
思いのほか、青臭くなく胡瓜の甘みが良く出ている。
色も、緑と紫がきれいで暑い夏には冷たくさっぱりしたいい一品が出来ました。
もう少し改良してうまくいけば、来月の先付けに登場するかも。
ご期待下さい。

杖立の味  箸休め 地生え胡瓜に赤紫蘇のジュレをかけて

  

つなぐ

 以前デザイナーさんの切封先生と飲みながら話していたときの話です。
杖立に初めて自動車で宿泊に来たのが郷土が生んだ大医学博士北里柴三郎という記事が以前新聞に出ていたそうです。
昭和の初期か大正なのか忘れましたが、私が生まれるずいぶん前の遠い昔の話です。
そこで、切封先生 「でも、杖立温泉1700年の歴史があるんでしょ。」
「それから、考えたら、つい最近の出来事じゃん。よし最近訪れた著名人として紹介しちゃおう。」
たしかに、1700年という時 一日にするとその中で私たちが生きているのはほんの数秒かもしれない。
今悩んでいるものがものすごく小さく思えて少し救われた気分になった。
でも、よくよく考えるとわしたちが暮らす現代まで、多くの人たちがこの1700年をつないできてくれたから私たちが今暮らしていけるんだなぁ。
今、田舎では過疎化が進み、少子化で若者が減ってきています。
次の世代に つなぐ 私たちがやらなくてはならない使命の一つです。
我が家もわたしで、細々と7代お店をつないできました。
ご先祖様には感謝、感謝です。
今日、3歳になる我が長男に大きくなったらなんになるの?って聞いたら
「電車の運転手!ソニック(九州を走る特急)か新幹線が良いんだけど」
と 即答されました。
さて、我が家の8代目はどうなることか・・・・  不安と期待、でも楽しみです。

杖立ての味  阿蘇高菜の飯蒸しと小国黒豚の角煮 和からし

職人魂

昨日、小学校からの同級生の結婚式に出席しました。
田舎の結婚式とはたぶん皆さんの想像をはるかに超えるすごさです。
お昼に始まった披露宴、乾杯の御発声とともに飲めや歌えの大騒ぎ。
宴は夜遅くまで休むことなく続きます。
新郎のO君は地元で40年続いた宮崎豆腐の店主です。
先代の大将と女将さん夫婦二人三脚でまじめに毎日休むことなく作り続けた豆腐。
その味は田舎豆腐という名ですが京都ので食べる豆腐にも引けをとらないくらいの品のあるまろやかな甘みと限界までにやわく固められた舌ざわり特長で地元のお店はもとより一般の家庭でもこの豆腐以外は豆腐と認めない方がほとんどというくらい地域密着のおみせでした。
それが数年前、ご夫婦とも高齢のためお店をそろそろ閉めようかという話がでてきました。
今まで当たり前に食べていた豆腐がなくなる。
みんなかなりのあせりようです。
そのときみんなの後押しもあって同級生のO君が会社を辞め弟子入りして今立派に跡を継いだわけです。
話は戻りますが、結婚の宴に夜中まで付き合った新郎新婦はその夜私の宿に宿泊しました。
そして翌日、彼は朝の3時50分に宿をでていきました。
披露宴の関係で1日店を閉めたため2日続けて待っているお客様のために休むわけにはいかないと。
先代から受け継いだのは豆腐を作る技術だけでなく毎日待ってくれるお客さんとそれにまじめに答える職人魂。
今日の朝にはいつもと変わりなくたった1丁の豆腐の豆腐をお年寄りの家に配達する彼の姿がありました。
杖立の味 阿蘇の赤牛ローストビーフと小国の夏野菜グレープフルーツ和え
阿蘇の赤牛ローストビーフと小国の夏野菜グレープフルーツ和え


おやじのことば

 私はこの料理の世界にはいって最初の修業の時代を京都での料亭で過ごしました。
 そこで私の師匠(僕らは愛情を込めてオヤジと呼ぶ)から常に言われていた事。
 お客様に料理を出すときは常に自分の一番大事なひとのために作っていると思って料理 しなさい。 料亭では基本的に調理人とお客さまが顔をあわせる事はありません。何万 円もする料理を毎日作りながらどのような方がどんな風に食べているのか、喜んでいる のかわからないとついつい一番大事な愛情という調味料を入れ忘れて仕事として料理を お出ししてしまいがちになる。このことに注意しなさいとオヤジからよく言われた。
  今日は朝から近所の鮎釣り名人に生きのいい鮎をゆづってもらいそれを素焼きにして
 身をほぐしすり鉢であたり骨と昆布、生姜でとった鮎の出汁でのばし、味噌、で味を調 えた冷汁を作った。豆腐、胡麻、胡瓜、大葉、茗荷などをいれ御飯にかけて食べてもら う郷土食です。 体調を崩し入院していた私の叔父さんが退院してまだ、食欲がないと 言っていたから何とか喜んで食べてもらおうと思って。
  やっぱり料理は食べていただく方のことを思って心を込めて作らないと 喜んでもら ってナンボだなと改めて昔オヤジに言われた言葉を思い出す一日でした。今、私は、で きるだけお客様がついたときに挨拶するよう心がけています。この人のために料理する んだと自分に言い聞かせるために。

はじめまして

 はじめまして本日よりブログを開設しました田舎の料理人です。
 私の住む街の情報やお料理での町興し活動などを中心にご紹介したいと思いますのでご 覧になって意見を聞かせていただけたら幸いです。
 それでは自己紹介から
 私の住む街は熊本県の北部 阿蘇山や久住の山々に囲まれた小さな温泉地杖立温泉です
 そこで私は旅館の調理長をしながら料理人で作る料理研究会土喰倶楽部(どさんくら  ぶ)という集まりで杖立温泉発の料理の研究と美味しい街づくりをめざして日々努力し ている毎日です。
 杖立には美味しいお野菜、川魚、黒豚、牛肉、馬肉・・・・たくさんの素材がありま  す。
 是非、来てみて食べてください。


 今が旬の杖立川で取れた鮎の洗いと馬刺しの握り寿司 骨せんべい

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